走り幅跳びの空中動作(初心者向け)

 こんにちは、ガムテープです。今回は走り幅跳びの跳び方について走り幅跳びを全く知らない方、またはこれから始めようとしているけどどの跳び方がいいのかわからないという人向けに記事を書いていこうと思います。経験者の方からしたら説明がおかしく感じられる部分もあるかと思いますのでコメントなどで指摘していただけたら幸いです。

 

   目次 1.かがみ跳び

      2.そり跳び

           3.ハサミ跳び

 

1.かがみ跳び (そり飛びの進化前?)

 まずかがみ飛びです。これは初心者の方に走り幅跳びをさせた場合に自然となる跳び方であり、最も初歩的な跳び方となります。男子で走り幅跳びをする選手は成長の過程で、かがみ飛びからそり跳びへとシフトしていく選手が多い傾向があります。なのでこの跳び方は主に女子の選手によく見らえる跳び方です。やり方は単純で、踏み切って空中に出たらそのまま足と手を前に放り投げて着地します

 

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注意)この跳び方は次に紹介するそり跳びに発展できる跳び方のため境目があいまいなことが多く、上の動画も人によってはそり跳びでは?と思う方も多いかもしれませんがご了承ください。

 

2.そり跳び (一番おすすめ!)

 走り幅跳びを専門でやりたい!という方がもしこの記事を見ていたらぜひとも進めたい跳び方がこちらのそり飛びです。理由は個人差はありますが、かがみ飛びよりも遠くに飛べるからです(選手によってはかがみ飛びの方が飛べるという方も大勢いらっしゃいます)。跳び方の難易度としてはかがみ飛びよりも難しいですが練習をすればほとんどの人が習得でき、かつ走り幅跳びの中でも遠くに飛べる跳び方の一つとなっています。やり方は踏み切って跳び出したら腕を一回転させると同時に体をそらせてから手と足を放り投げて着地する、というものです。アンダーラインの部分が前のかがみ飛びにプラスされた跳び方です。また一言にそり飛びと言っても細かい動きは選手によって異なり、腕の使い方や回すタイミングも様々です。参考にする動画では跳躍の動きが分かりやすい橋岡選手(日本大学)を上げておきます。

 

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 この跳び方がなぜかがみ飛びより優れているかは空中で腕を回すステップが加わったため滞空時間が増加し、より飛距離を出せるのだと筆者は考えています。またこれは私の経験からですが腕を回す分の勢いが増し、手と足を前に放り投げるパワーがかがみ飛びと比較して増した感じがしました。

 

3.ハサミ跳び (初心者には99%無理!)

 この跳び方はお勧めできません。その理由は初心者には難しすぎからです。かなりの注意点としてこの跳び方はかっこよすぎるのでマネしたくなります。しかし空中で腕を回す(シザースと言います)を2回以上回す必要があります(1回がそり飛びです)。これは実際にやってみるとわかるのですが2回も回していたら着地までの動作が追いつきません。できない理由としてはA : 滞空時間が足りない と B : 技術が足りない の二つが考えられます。Aの滞空時間で考えると一般に7 mを超える選手出ないとできないという定義をよく見ますが私の見てきた限りで7 m00でハサミ跳びを完璧に行う選手はほとんどいません。ハサミ跳びは最後に足をそろえて着地することが極めて難くなります。これができている選手は少ないというレベルではなく、世界歴代100くらいの選手で10人いるかいないかレベルで初心者がまずできるものではありません。もしハサミ跳びに挑戦したいのであれば、①7 m50をそり飛びで飛ぶ ②ハサミ跳びを経験していた人から学ぶ のどちらかがおすすめです。万が一、独学で学ぶ場合は自分の跳躍をビデオで録画し、思い描いてる動きと実際の動きの違いを治す作業を繰り返すことに尽きると思います(かなりいばらの道です)。………とまぁ悪口ばかり書いてきましたが逆にいい点と言えばやはり遠くに飛べるからです。その飛距離はそり飛びと並び、完璧にものにさえできればそり飛びより飛ぶこともできるかもしれません。事実、今ある世界記録歴代10枠も7割程度がこのハサミ飛びです。今回はこのハサミ飛びを完璧にものにしたキューバペドロソ選手を上げてます。

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 なぜここまでハサミ飛びは大変というかというと走り幅跳びの記録の9割は助走と踏切で決まります。なので跳び方に時間を割くよりも(特に中学、高校生は)、助走スピードを高めること高いスピードで走ってきたときの踏切練習を行うのが賢明であると考えられます。幅跳びは1 cmでも遠くに飛んだ方が勝利です。時間の使い方をよく考えて挑戦するべきか否かを慎重に選択してください。

 

 私はそり飛びをお勧めしますが、そんな私自身7 mを跳べないジャンパーだったので才能があったわけでもありませんし、教える才能も有りません。一番かっこいいと思う跳び方はハサミ飛びだったのでハサミ飛びで将来日本人が世界陸上でメダルを取れる日が来たらいいなぁなんていつも思っています。最終的な判断はみなさん(もしくはみなさんの顧問の方)にお任せします。もし良い記録や自己ベストがでたら教えてください(^^)

 

 

ルヴォ・マニョンガ選手 (陸上、走り幅跳び、前半)

 こんにちは、ガムテープです。今回は男子走幅跳マニョンガ選手について説明していこうかと思います。

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1.選手紹介
 マニョンガ選手は南アメリカ出身で1991年生まれのまだ若い選手です。陸上競技には小学生の時からやっており、その時にすでに走幅跳で将来有望な選手だったそうです。陸上選手は早熟の選手も結構いるので小さいときから常に第一線で活躍なさってるのですからすごいですよね。18歳の時に出場したアフリカジュニア陸上選手権では7 m49 cmを跳んで金メダルに輝いています。三段跳びでも素晴らしい才能を持ち15 m中盤の記録を持っていたそうです。7 mや15 mといったら日本の高校生でも本当に限られた選手のみが足を踏み入れられる領域なので2種目やっていてその記録ということから彼のポテンシャルの高さが分かります。翌年には7 m99 cm, そしてさらに翌年には8 m越えの8 m21 cmを跳躍しています(日本記録は8 m25 cmですのでそれに近い記録を20 才前後で記録するのですから恐ろしいものです)。その後、ドーピングが原因で数年の出場停止を受けますが2016年に復活しここから彼の大躍進が始まります。


2.復活後の活躍
 2016年の復活の年はアフリカ選手権(日本選手権のような国最大級の大会)で優勝します(8 m 23 cm 追風参考)。ここまでマニョンガ選手の記録は8 m 20~30前後でした。これはもちろんすごい記録なのですが世界レベルの選手として名を響かせるまでには至りませんでした。アフリカにすごい選手がいる。そうみんなに知らしめたのはあの日本リレーが銀メダルを獲得したリオデジャネイロオリンピックでした。この大会での優勝候補は前回優勝のグレッグ・レザフォード選手(イギリス, 8 m51)とジェフ・ヘンダーソン選手(アメリカ, 8 m50)でした。ラザフォード選手は大きな体を使って行うダイナミックなそり跳び、ヘンダーソン選手は弾丸のようなハサミ跳びが特徴でした。試合展開はなかなか調子の上がらず8m18に記録のとどまったラザフォード選手に対し、引っかかれば8 mを大きく超えそうなヘンダーソンの跳躍が繰り返されており、私の中ではヘンダーソンが勝ちそうな雰囲気がしていました。そこに現れたダークホースが我らがマニョンガ選手です!早くもラザフォード選手の記録(8 m18)に近い8 m16を跳躍すると4回目に8m28, そして五回目に8 m37を跳躍し、銀メダルを獲得しました(優勝は最後に8 m38を跳躍して大逆転したヘンダーソン選手でした(めちゃかっこいいです))。ラザフォード選手も逆転を狙いましたが8 m29で惜しくも届きませんでした。この大会で名を世界に広めたマニョンガ選手はこの期の最後に行われるダイヤモンドリーグという陸上の大会で8m48を跳躍しました。ここ数年で8m40を超える選手はとても少なかったので来年がとても楽しみになるシーズンの終わり方となりました。しかしこの躍進はマニョンガにとってはまだまだ序章にすぎませんでした。続きはまた追々書こうと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

↓ リオデジャネイロオリンピック

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↓ ダイヤモンドリーグ (8 m48)

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参考文献

  1. https://en.wikipedia.org/wiki/Luvo_Manyonga
  2. https://www.iaaf.org/athletes/south-africa/luvo-manyonga-246018